0518|散歩と展示

今日はおやすみの日だった。

おやすみと言えど、予定を詰め込む癖のあるわたしは朝から追われていた。
最近パッとしない天気の日が続いていたのでとりあえず洗濯と、お誘いいただいていたお庭見学と、歯医者の定期検診と、あとはもうすぐ終了してしまう美術館の展示。
これはもはや詰め込みすぎなのかどうか自分ではよくわからないけど、ひとつの予定が少しずれ込むと後の予定もずれ込むような予定の組み方は本当はよくないんだろうなと思う。
かといって、移動時間を多めに見ておくような予定を組むのはもったいないような気もしていて、結局いつもカツカツと隣り合わせな予定になっている。

〽︎

「お庭のバラが見頃ですよ。中旬には満開になると思います。よかったら遊びにいらしてね」そんなお誘いがあったら行かないわけにはいかない。では次の土日に伺おうかな、と返事をするも、土日は神戸にいないんだった。そんなこんなで、平日休みのこの日、溜まりに溜まった洗濯と歯医者の予約との間にお庭見学の予定が入り込んだ。

休みなのをいいことに、いつもより遅く起きてしまったわたしの気持ちは急かされていた。
お庭の素敵なおうちまで歩いて2~30分はかかるから、10時くらいには家を出ようとしていたのに起きたのが9時過ぎだった時点で予定変更の嵐。
ひとまず洗濯を回し、そういえば乗合のコミュニティタクシー(「しおかぜ」という名前ゆえに、「今日はしおかぜに乗ってきたよ」という素敵フレーズを口に出すことが可能になる)がお庭の近くまで走るはずだから、10分ほどで到着できるはずで、ここでお庭の持ち主に到着時間を連絡する。洗濯はまだ終わっていない。

洗濯物を半分干し終わったところでタイムリミットが来たので、しおかぜの乗合場所に走る。
目の前に見えたところで、ピー、と音がなってドアの閉まる音がしたけど、必死の形相で自分の顔を指さしたら運転手さんが察してくれて再度ドアを開けてくれた。これがわたしの記念すべきしおかぜ初乗車。
しおかぜにはいくつかのルートがあるらしいけど、わたしが乗ったルートのコースが面白すぎてお庭に着く前に十分満足してしまった。

なんとかたどり着いたお庭は聞いていた通りバラが見頃だった。
お庭のバラを一つ一つ説明してくれたけれど、名前はひとつも覚えられなかった。
たくさんのバラと、カモミールと、イタリアンパセリと、九条ネギの葱坊主などをお土産に持たせてもらって、歯医者へと急ぐ。

たくさんのバラを抱えてようやくよく知った道まで戻ってくると、まさに家に入ろうとしている友人と目が合った。「おー!」と声をかけると、「今からサンドイッチ作るけど、食べる?」と。そんなお誘いがあったら食べないわけにはいかない。この後歯医者に行く予定があるというのにまんまと家の中に吸い込まれてしまった。

手際よくサンドイッチを作っている友人を横目に、ぐったりしてきたバラを救出するためにバケツを借りる。水につけると少し元気になっているように見えて安心した。「珈琲淹れといて」と声をかけられ豆を挽き湯を沸かし、縁側に並んだサンドイッチと珈琲。偶然ばったり会っただけだということは忘れていた。

そろそろ歯医者の時間が迫ってきていたけど、一度家に帰って歯も磨きたいし、バラは一旦預かってもらうことにした。お礼も兼ねてバラを少しおすそ分けした。渡しそびれていた誕生日プレゼントも渡せた。山椒の実をおすそ分けしてもらった。

家に帰って歯を磨き、残り半分の洗濯物を干し、無事歯医者を終えてそのまま電車に乗りたかったところ、定期を忘れてしまったので一度家に戻り、気を取り直して電車に乗った。てっぺんから傾いてきたおひさまが照らしている海もまた綺麗だな〜

美術館は平日で比較的ゆっくりと見ることができた。
突然現れる楕円の物体(素材はいろいろ)の存在に気づいて展示室をキョロキョロと見回していると、展示室内にいたスタッフの方が笑顔でわたしからは死角になっていて見落としていた楕円の作品を指し示してくれて、こちらもつられて笑顔になった(マスク越しでもなにか感じられる柔らかい空気がよかった)。

満足した気持ちでもう一度友人の家に戻り、バラを引き取りに行くと今度は晩御飯の準備中だった。
バラを引き取ってそそくさと帰ろうとしているというのに、「生春巻きとビール、食べてく?」と。そんなお誘いがあったら食べないわけにはいかない(これ一体今日何度目?)。
生春巻きは今まで食べたものよりも随分もちもちとしていた。KALDIで売っているものらしい。明日買いに行こう。

帰りがけに、山椒の苗を分けてもらった。バラと山椒の苗を抱えて帰宅。1日で実山椒と詳細の葉山椒をゲットしてしまった。なんて楽しい暮らしなんだろう?